| 特集 | 気侭音盤批評 | 名曲アルバム | ||
| インタビュー | Boato do MPB | ご意見・お問合せ | BBS |
ミナス音楽第2部
TEXT & PHOTO by
所沢 美茄子
前回はミナスの主なミュージシャンとそのアルバムを紹介しました。今回は folclore(フォルクローレ)と呼ばれる民族音楽のお祭りのひとつであるCatope (カトペ)についてお話します。 はじめにミナス・ジェライス州モンチス・クラロスについてブラジル、ミナス・ジェライス州北部にあるMontes Claros(モンチス・クラロス)は州都Belo Horizonteから約500km、隣のバイーア州Salvadorからは500km以上離れ、その距離ゆえにそれらの都市とは違った独自の文化・習慣が生まれた土地です。また、雨が少ないという悪天候に悩まされたバイーアの人たちが、よりよい生活を求めてサン・パウロを目指しましたが、Montes Clarosはその中継点となり、結果的にMontes Clarosに多くのバイーア人が留まり、ミナス人との混血も起こったのです。これにより、ミナスとバイーアの文化的混合も成されました。私はMontes Clarosに何度か行ったことがありますが、人々は踊りや歌が大好きで、Belo Horizontino(ベロ・オリゾンチ人)よりもMontesclarense(モンチス・クラロス人)の方がより明るいという印象を受けました。 |
|
Festas de Agosto (8月の祭り)Nossa Senhora do Rosario, Sao Benedito, Divino Espirito Santoの三聖人を敬う祭りはブラジルのあらゆる場所で見られますが、それらは地域によって特徴が異なります。ミナス州北部のMontes Clarosでは長い間、8月に祭りがあることから、これらの祭りは”Festas de Agosto”(8月の祭り)と呼ばれています。祭りの種類には、”Catope”, “Marujada”, “Caboclinhos”(カトペ、マルジャーダ、カボクリーニョス)の三種があり、Catopeは黒人、Marujadaはインディオ、Caboclinhosはヨーロッパを起源とする祭りと言われています。 Catope (カトペ)カトペはブラジルにおける祭りの中でも古い歴史を持ちますが、ブラジル人がヨーロッパやアフリカ等の他民族から受け継いだものを時代とともに改良を加えてきたもので、由来について正確に述べることは難しいのですが、1760年リオ・デ・ジャネイロでD. Maria一世が即位した際に紹介されたダンスの中には「Catupe」と呼ばれるものがあったという説があります。 A Festa (祭り)Montes ClarosのFestas de Agosto(8月の祭り)はNossa Senhora do Rosario, Sao Benedito, Divino Espirito Santoの三人の神様を祭る三日間行われ、この三日間にパレード、ミサを行います。パレード初日の前夜、Nossa Senhora do Rosarioの色を示すマストを揚げ、翌日はNossa Senhora do Rosario を祭るパレードを行う。このように、パレード前夜には、翌日祭る神様の色を示すマストを揚げる。マストはパレードの一年前に準備します。そしてカトペの練習は毎年5月から行われます。 パレードは1グループ20〜30人の大人から子供までの男性が行い、ほとんどが黒人です。いくつかのグループに分かれますが、それぞれのグループに隊長、 Porta-bandeira(旗持ち)、caixeiro(カイシャを叩く人)がいます。背の高い順に二列に並び、一番背の低い人が最後につきます。衣装はシンプルで、白ズボン、白の長袖シャツです。特徴的なのは中味がボール紙でできた円柱の兜で、長さ約1メートルの様々な色のリボンで飾り付けられています。 隊長の兜にはさらに孔雀の羽がついており、グループの中でもひときわ目立ちます。 また、porta-bandeiraとcaixeiroも特別な衣装をつけ、金の縁取りのついた青い長袖シャツ、白のズボン、金の刺繍の入った青い帽子を被ります。カトペのパレード参加者は全員が歌い、踊り、楽器を演奏します。楽器の大部分はパーカッションで、手作りです。 パーカッションの種類は:
パレードで、隊長はporta-bandeiraのすぐ後ろに着き、グループが行う様々な踊りを指揮します。パレードはRosario教会を目指し、教会ではミサを行い、翌年の繁栄を祈ります。教会を出る際、踊り手たちは祭壇に背を向けず、常に敬意を示しながら教会を出て行きます。 教会を出る際、次のように歌います。 ―Deus te salve, Casa Santa まず隊長が一通り歌い、続いて他のメンバーが一緒に歌い、これを何度も繰り返します。シンプルな歌で、何年もの間めったに形を変えることはありません。 以上、簡単ではありますが、カトペの概要をご紹介しました。地方でのお祭りですが、素朴でシンプルなところがとても魅力的でした。パーカッションのリズムも、それまでに聞いたことのない独特で、とても興味深いものです。 モンチス・クラロスへはバスで州都ベロ・オリゾンチから約7時間、リオ・デ・ジャネイロからは約14時間です。私は夜リオを出発し、翌朝モンチス・クラロスに着きましたが、8月のブラジルは真冬。日中は半袖でも平気なのですが、夜間は大変冷えるので、羽織るものを持っていた方がよいです。途中、ベロ・オリゾンチからモンチス・クラロスへ向かう道中で、夜空にたくさんの星が見えたのがとても印象に残っています。 二回に分けてミナスの音楽についてご紹介しましたが、日本ではまだアルバムを店頭で入手できる機会が少なく、イメージがつかみづらいと思いますが、少しでもお役に立てれば幸いです。 |
|