| 特集 | 気侭音盤批評 | 名曲アルバム | ||
| インタビュー | Boato do MPB | ご意見・お問合せ | BBS |
クロスレビュー:010
ミルトン・ナシメント&ロー・ボルジス/街角のクラブ

「クルービ・ダ・エスキーナ」はドクトクの雰囲気だ。ローの曲は名作揃い。ミルトンの歌声は言うに及ばず。ギターはもちろんベースやパーカッションまで演奏しているトニーニョ・オルタ他さまざまな才能に溢れていたのが良く分かる。時間と場所がもう少し違っていればいわゆる「ミナス・サウンド」は生まれていなかったかもしれない。あの頃のミナスの街角には、ドクトクの青春が漲っていたのだ。
●ブラジル音楽が到達した一つの形
ミナス派の音楽ってどんなの?と聞かれたらまずこのアルバム。ミルトン・ナシメントとロー・ボルジズ共同名義の傑作だ。その2人はもちろん、トニーニョ・オルタ、ヴァグネル・チゾ、ネルソン・アンジェロなどその後ミナス派と呼ばれるアーティストたちが参加してこの地方のフォルクローレや教会音楽、ビートルズ等の影響を受けたと思われる独特な浮遊感のあるサウンド世界を創り出している。特にこのアルバムが実質的なデビューであるロー・ボルジズの無垢なヴォーカルとソング・ライティングが光っている。
およそ30年前、ミナスの音楽コミュニティから生まれたアルバム「CLUBE DA ESQUINA」。集まったのは20代の若者たち。あのエリスがこの中から2曲も取り上げて歌っているくらいだから、良曲揃いなのはお墨付。それだけではなく、彼ら独自のハーモニー感覚、清潔感のあるギターの音色、シンプルに効果的に使われるパーカション、若いミルトンのハイトーンヴォイスとが、渾然一体となって、今も色あせないひとつの宇宙を作っている。