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余計なことなど考えないで、この気持ちよさに浸っていたい、そんなアルバムだ。どことなく、ひなたの匂いがする。にわか雨が上がったあとの草の匂い。風の匂い。おかげで筆が進まない・・。ジョアン・ジルベルトとビートルズを聴いて育った世代が自分たちの音楽を作った。同じ世代にサンパウロのムタンチス等がいるが、比べてみればバイーアというバックグラウンドが、この繊細でいて解放感あふれる心地よさのベースになっていることが良くわかる。2ndアルバムである本作の発表当時、彼らは20歳前後だったというから驚きだ。1st,3rdにも良い曲があるが、アルバム全体の完成度からいえば、本作が一番。オリジナル曲の大半を生み出したモライス・モレイラのアコースティク・ソロ・アルバムも個人的にオススメです。
サンバで、ボサノヴァで、ショーロで、ロックで、etc...な1枚。たくさんの音楽をとけ合わせて、その枠をさらっと越え、それでいて「新しいコトをやってるんだぜ」的な押しつけがましさは少しも感じられない。初めて聴いたとき、新鮮なショックを受けました。30年近く経っても少しも色あせることなく、彼らの音楽は楽しくてパワフル。歌姫 ベイビー・コンスエロ の「歌い放つ」風の歌い方は、可憐でセクシー。やわらかなモライスの歌声とのコントラストは色鮮やか。その後ろで聴こえる、たくさんの楽器の音。ブラジルな音もロックな音も、とても可愛く調和してます。
トロピカリア達の次の世代は、フラワー・ムーブメントの影響を受けてヒッピーの共同生活を始めた。モラエス・モレイラ、パウリーニョ・ボカ・ヂ・カントール、そして詩人のガルバォン。集まってきた仲間には、ペペウを筆頭にしたゴメス兄弟やベイビー・コンスエロがいた。トロピカリアの成果をさらに押し進め、古いサンバとロックをまるで最初からそうだったかのように混ぜ合わせてしまう。不思議な開放感と、こそばゆいような幸福感は、彼らのアルバムの中でも抜きんでている。そんな彼らのコミュニティーを毎晩のように訪れていたのは、誰あろうジョアン・ジルベルトその人だった。