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FAR OUT RECORDINGS FARO 033CD
1 2 4 7 8 10
Celia Vaz; guitars, Vocals
Adrian Corker, Paul Conboy; Samples, Keyboards, Treatments
Nigel Shipway, Percussion
Recorded at Jardim Magnetico, Itaipava, Rio De Janeiro
Mixed by Luke Gifford and Paul Conboy at Rocit Studios, London
Produced by APE
Coordinated by Joe Davis
3 5 6 9
Celia Vaz; Acoustic Guitars, Vocals
Marcos Amorim; Electric/Steel String Guitars
Lucio Nascimento; Bass
Adriano Oliveira; Drums
Marcelo Martins; Flute, Saxophone
Marcio Malard; Cello
Moreno; Violin
Leo Lebons; Percussion
Recorded at Musica Studios, Catumbi, Rio De Janeiro
Engineered by Julinho
Mixed by Roc Hunter at Rocit Studios, London
Produced by Joe Davis
有り余るパワーを単調なリズムにぶつけ、わずか2〜3分で果ててしまう若々しさ(パンクとかね)よりも、しっとりとゆったりと高揚し昇り詰める官能を求める大人なあなた、そんなあなたに聴いてほしいアルバムです。
ジョイスとトゥッチ・モレーノのプライベート録音の発掘からセンスの良いコンピレーション盤、さらには、マルコス・ヴァリの新作まで常に私たちに心地よい驚きを提供してくれる英国のレーベル、ファー・アウト・レコーディングスがまたまたやってくれました。セリア・ヴァスの新作です。
セリア・ヴァスといえば、ディープなボサ・ノヴァ・ファンなら知っていてもおかしくない女性ヴィオラン奏者。かく言う私はこのCDを聴くまで彼女のサウンドを耳にしたことはありませんでした。どうもすみません(笑)。なんだか、ヴァンダ・サーとかクアルテート・エン・シーなんかと関わりの深い人みたいですね。でも、何かそういうことを聞くと、ボサ・ノヴァは伝統芸能です、みたいな御神楽保存会的なノリのサウンドで、気分の高揚とか興奮とか陶酔感とか、そういう類の言葉とは一切縁のないサウンドを想像しがちですけど、このアルバムに関しては、それは大きな誤解です。もちろん、心地よい涼風のようなボサ・ノヴァ、そういうものを聴くのも悪くないでしょう。しかし、一方で、ボサ・ノヴァの静かに緩やかに高揚し昇り詰めていくような官能的な側面も忘れてはならないと思うのです。
ベースとドラムス、パーカッションを軸としたジャズ的なバンド編成のグルーヴが心地よい"Obrigado Donato", "Espada De Prata", "Teles E Temas", "Climas"は、ジョイスを彷彿とさせるサウンド、踊り好きな人なら、きっと踊りだしてしまうに違いありませんが、ここで、是非聴いてもらいたいのは、サンプラー、キーボード、サウンド・トリートメント、それに、パーカションという編成のエイプというグループと共演している"Na Fabrica", "Pro Bonfa", "Nas Aguas Do Rio", "No Deserto", "Fadas E Gnomos"。ボサ・ノヴァが持つ官能的な側面がエレクトロニクスと組合わさることにより、増幅されるというか、コントラストのはっきりしたサウンドになるというか、とにかく必聴です。厳格な人なら、こんなリズムはボサ・ノヴァじゃない、なんて言いそうですけど、ゆったりとしたエレクトロニクスの潮流の中で、彼女が漂い、たわむれ、踊りながら、静かに優しく我々を快楽の園へと導いてくれるこの緩やかな時間に是非とも浸っていただきたいと思うのです。ジョイス、ヴィニシウス・カントゥアリア、ベベウ・ジルベルトなんかが好きな人はきっとこのアルバムも気に入るに違いないと思います。