| 特集 | 気侭音盤批評 | 名曲アルバム | ||
| インタビュー | Boato do MPB | ご意見・お問合せ | BBS |
text by 《DINO》

BMG 74321988432
Disco1
Disco2
ここ数年充実した作品を作り続けているゼー・ハマーリョ。今回はボリュームたっぷりの2枚組に、新旧の名曲をてんこ盛りにぶち込んできました。並のシンガーがこんな企画をやれば、聴く前から内容の想像できる月並みなものになりがちですが、このおっさんにそんな心配は無用。というか、覚悟していた以上にすごいことになってます。
よく知ってるあの曲やあの曲が、とんでもないことになってるんですが、かといって奇をてらったような感じでもなく、ごく自然体に聴こえるところが凄いと言うか、おっさんとしては普通に歌うとこうなっちゃうと言うだけのことかもしれません。
ジョビンの「三月の水」は、テテ・エスピンドラとのデュエット。男女のデュエットとは言え、エリス=ジョビンのデュエットなんか想像してはいけません。超音波歌手テテと、低周波歌手ゼーが、ずぶといノルデスチサウンドをバックに掛け合う様は、さながらゴジラとキングギドラのバトル。
ゴンザギーニャのサンバ「ウ・キ・エ・ウ・キ・エ」は、スケールの大きなバラードに姿を変え(メロディーが迷走している!)、エラズモ・カルロスの「メズモ・キ・セジャ・エウ」は、直球フォッホーに変身(むちゃかっこええ)。「アザ・ブランカ」「カンチーガ・ヂ・サポ」といったフォッホーの名曲も、ふたまわりほど骨太に。「ホマリア」は、ファギネルとのデュオ。こんな男臭い「ホマリア」は、史上初じゃないか。
安易に見える企画で、ここまで「ぶっとい」作品を作った男54歳、充実の極み。惚れ直しました。